『2019年 笑顔10月号』第3号被保険者も保険料を負担している?
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今月は、国民年金の第3号被保険者と夫が負担している厚生年金保険料の離婚時の関係についてご説明します。
淳子 私は夫の社会保険の扶養に入っていて、国民年金の第3号被保険者です。私の分の国民年金保険料は、夫の給与から一緒に引かれているのでしょうか?
横山 いいえ、ご主人の給与から引かれる厚生年金保険料は、給与の額によって決まるので、扶養の有無で保険料は変わりません。
淳子 では、私の国民年金保険料は誰が負担しているのですか?
横山 ご主人が加入している厚生年金の制度全体で保険料を負担していますよ。
淳子 それで第3号は、保険料を負担していないということで不公平感を感じる人がいるんですね。
横山 そういう声もあるようですね。でも、法律では第3号も厚生年金保険料を負担したものとみなす仕組みもあるんですよ。
淳子 え、どんな仕組みですか?
横山 離婚したときに厚生年金の加入記録を分割する仕組みが2つあります。1つは夫婦とも厚生年金に加入していた期間の分割、もう1つはいずれかが第3号だった期間の分割です。
淳子 離婚時の年金分割、聞いたことがあります。
横山 2008年から「夫婦のいずれかが第3号だった期間は、厚生年金に加入していた側が負担した厚生年金保険料は、夫婦共同で負担したものとみなす」という考え方が導入されています。
淳子 ということは、夫の厚生年金保険料の半分は、私が負担したことになるんですね。
横山 そうです。毎月の給与だけでなく賞与も対象です。ただし、負担したものとみなした期間の分割は、離婚した場合のみです。